なごや。

さて前回の続き。

桜通口を首尾よく見つけ、その方に歩いていく。幾人か立っている人がいるけど、アキちゃんがどんなビジュアルか知らないので、どの人もアキちゃんに見える。どうしたものか。と思いつつ、桜通口の出口を出て、周囲の地図の案内板を見て、本当にここでいいのか確認していると、後ろから大柄の男性が声をかけてくる。

おお・・想像と全然違った。元ボクサーということを聞いていたので、自分の中の固定観念で日本人のボクサーといえば小柄。と思い込んでいたところがあったので、まずその長身に驚く。見た目も粗暴な感じは一切なく、優しげで洒落ている。美容室かなんかで店長とかやってそうなルックス。想像と全然違う。

懸念であった人当たりもすごくいい。物凄く話してくれる。良かった。

名古屋の町を散策しながら、お茶でも飲んで話しましょうということになり、喫茶店に入る。

ボクシング、共通の知り合い、仕事のこと、家族のこと、果ては内面の濃いところまで、マジで初対面?ってくらい話が尽きない。気づけば結構な時間をコーヒー一杯で過ごしていた。

この日の目的は観光でもなんでもなく、ただ純粋に自分のブログに共感してくれた人に会いにきたというだけのことだったので、目的は大きな満足を伴って果たした。

喫茶店を出て、腹減りましたねなんて言いつつ飲食店を物色。

せっかくだから何かここらの名物的なものでも行きましょうか?とアキちゃんの提案。

そうですね。味噌カツ以外なら何でも。などと言っていたら、一軒のホルモン屋。

とんちゃん焼きというのが気になって、アキちゃんにここ行きましょうよと言う。

でも、ホルモンって関西が本場じゃないですか?ホントにここでいいんですか?と問われるが、その店がどうにも美味しそうだったので、そこにしてもらった。

これが当たりで出てくる肉、ホルモン、全部美味い。特に豚のホルモンに味噌で味付けしたとんちゃん焼き、これがすげー美味い。

ここでも、いろんな話をする。知れば知るほど、アキちゃんは立派な男だ。同じ男として劣等感を感じるくらいに。素晴らしい人と知り合いになったもんだ。来て本当に良かった。まだまだ話したかったが、帰りの電車の時間が迫る。なんて早い一日だろう。もう帰らなくてはいけない。

土産を買うために駅の土産物屋に入る。僕も家族に何か買って帰ろうかな~なんてアキちゃんも買い物を始める。

適当に名古屋っぽいものをチョイスして買う。

ふぅ。土産も買ったし、帰りは行きと違って時間の心配はないし、のんびり帰るかなんて思いつつ、駅の改札に向かう。

そこで、またの再会を約しアキちゃんと別れる。

改札に切符を通し、楽しかったなぁ。なんてひとりごちて歩いていると、後ろから駅員が「忘れ物ですよ~」と追いかけてくる。おっ!?何か落としたかな?と思っていると、駅員が持ってきたのは大きめの紙袋。駅員の背中越しに改札の向こうを見るとアキちゃんが微笑んでいる。さっきアキちゃんが土産物屋で買っていたのは、僕に持たせるお土産だったのか・・。なんだよアキちゃん、ナイスガイにも程がある。

微苦笑でそれを受け取りつつ、満ち足りた気持ちでホームに向かう。

何から何まで世話になって、行って迷惑じゃなかったか、それだけが心苦しいがすごく楽しい一日だった。

この歳で友達が増えたこともまたそうそうあることではないので、そのことにも感謝。

ありがとうアキちゃん。阿呆な自分でも忘れ難い一日をありがとう。

ケトルベルはまだちょっと買う勇気出ません。

不一。