ハートフル
人にはそれぞれ生まれてきた理由がある。とか、それぞれの役割を持って生まれてきた。とか、その人にしか出来ない使命を果たすために生まれてきた。とか。
時折り目にしたり、耳にするこれらの言葉。
本当だろうか。ただの願望じゃないのか。
人間に頑張ってもらわないと困る何かが、本来意味などない人生に何とか理由をつけて希望を抱かせるために考えたお為ごかしじゃないのか。
生まれてきた理由なんて未だに分からないし、役割なんてものも割り振られた覚えはない。
使命など感じたこともない。
ひょっとして皆は分かってるのかもしれない。
気づいてないのは僕だけという可能性もある。
とはいえ、こんなこと面と向かって聞き難い。
「お前の人生の使命って何なの?」とか真顔で聞いたらメンタルの不調か酷ければクスリを疑われる。しかし気になるな。でも聞けないな。
理由も役割も使命にも気づかない残念な人間。という役割を使命として授かったのが、お前の生まれた理由だ。とか言わないよね、誰だか知らんけどそれを司る存在。
「ハロー⁉︎ゴースト」2010年 韓国
監督 キム・ヨンタク
耐え難い孤独に絶望して、自殺を図るも未遂に終わり、病院のベッドで目覚める青年。
そこから何故か死者の姿が見えたり、声が聞こえたりするようになる。
挙げ句四人の死者に取り憑かれ、それぞれ生前の無念を晴らしてあげないといけないことになる。
最後、心がふるふるする。これぞハートフルコメディ。