もし
急に寒くなってきた。
明日の休みキャンプに行くというのに。
しかも全ての物事を甘く見るムリヤマと一緒だというのに。
さらにムリヤマはこれがキャンプデビューで、道具もどこまで揃えているかも怪しいというのに。
もうひとついえば、夏でも涼しいキャンプ場を予約している。
寒さで眠れないんじゃないか。昨年の初キャンプでまんじりともせず寒さに震え夜を明かしたあの日の記憶が蘇る。
とはいえ、もう一年経つのか。なんだかんだ続いてるなキャンプ。
今まで超絶インドア派であると自認していたが、どうも自分は田舎が好きらしく、なかでも山が好きみたいだ。アウトドアな趣味を持つなど考えられなかったが、分からないものだ。いくつ歳を取っても、自分のことは分からない。
分からないといえば、当然だけど未来のことは分からない。
もしを考えることはくだらないから出来るだけやらないように心がけているけど、何かの折節にふと考えてしまってることがあって、ここ数年よく考えてしまうもしが、もし今はまだ健在である両親がいなくなって、奥さんに先立たれるようなことがあったら、自分はほぼほぼ天涯孤独となる。親戚や何かなどとは昔から縁遠く、いまや顔と名前も一致しない程。なのでいないも同じだ。
もし、独りになるようなことがあれば、家など売っぱらってしまって、車中泊出来る車を買い、定住地など決めず気ままに旅して、経済的に行き詰まる、身体が限界を迎える、などの限界状況を終着として生きるのもありか…などと考えたりする。
だけど実際そんな局面になれば、根がぐうたらであるから、面倒が勝ち、決心がつかずダラダラそのまま何もせず暮らすような気がする。
監督 クロエ・ジャオ
夫に先立たれ、仕事も住む所も失いキャンピングカーで生活する老齢に差し掛かった女性が主人公。
キャンピングカーで主に季節労働の仕事を求めて各地を転々とする。
収入は生活するにギリギリで、クルマが故障すれば修理費にも事欠く。身体も若くないから年々衰えていく
先の見えない薄氷を踏むような苦しい生活。
姉妹や知り合いを頼れば、普通の生活を送ることも可能であるはずだけど、彼女はキャンピングカーでの生活を選択する。
なんだか他人事ではない思いで観た。