映画館や。

最後に映画館で映画を観たのはいつだろう。

あれは確かまだ十代だったような気がする。

その当時の友人にタダ券を貰い、行かぬのも何か悪い気がして、そう観たくもないインタビューウィズヴァンパイアという作品を何となく観た記憶がある。

まだ映画に何の興味もなかった頃の話だ。

ということは、その後19の時に映画に興味を持ち、これまで数え切れないほど観てきた作品は、全て家でビデオ、あるいはDVDで観ているということだ。

それってどうなんだろう?などと考えつつ、チケットに記された席を探す。

そうここは映画館。最後の映画鑑賞と同じく、タダ券を頂く機会があり、それには期限があり、行ける時に行っておかないと、無駄になる。そう思って、ある休みに行ってきた。

上映中の作品群を眺め、選んだのはこれ。

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アウトレイジ 最終章」  2017年  日本 監督 北野武

折角映画館で観るのだから、大掛かりな特撮物、美麗なCGを駆使した物、ファンタジックな物などが良かったのだけど、生憎めぼしいものが上映されておらなかった。

次の機会・・となると、いつ来れるか分からないし、気分が乗らなければグズグズと時間が過ぎ、タダ券がただの紙屑になってしまう可能性もある。

ということで、前々作前作と観ているこの作品。

登場人物皆が皆、ずっと怒っている。怒号殴打打擲打撃音銃声、渦巻く陰謀、当たり前に頻発する裏切り。悪いなぁ。やな世界だ。強いだけではダメ。賢しいだけでもダメ。度胸ばかりあってもダメ。セーフがない世界。アウトだらけだ。

映画館のちょうど真ん中あたりの席で観たのだけど、とても見やすく、音もそれは当然家で観るよりも臨場感のある音響で、胸が高鳴るのを感じた。改めて映画は娯楽であるのだと認識。

惜しむらくは、この作品、キレイな女性が全然出てこなかった。ヤクザも高齢化してるのかな?ジイちゃん俳優ばかりがこれでもかと出てくる。大森南朋が若い方だったもんな。無論、話の筋を曲げてまで無理に旬の女優や、何の貫禄も迫力も持ち合わせないイケメン俳優を起用するなんて、大人の事情を感じさせるキャスティングをされても、それはそれで白けるのだけど。

久々の映画館は良いものだった。

また行きたい。そう思った。そう思って、帰りに料金を確認してみる。

ぬおっ。今って映画一本観るのに1800円もするんや・・。たっか。

DVDなら何本・・・。とこすからい計算をする自分に嫌悪感。

次はタダ券ではなく、キチンとお金を払って観に来てみねばな。

そんなことを。

不一。