ヒーローつってもね。


ヒーローになるのは難しい。

ヒーローで居続けることはさらに難しい。

日本人で初めて、世界戦の計量で失格、試合を前に世界王座を失った比嘉大吾を見てそう思った。

世界戦を含めた連続KO記録で、日本タイ記録に並び、先日の防衛戦にキチンといつもどおり体重を作りKOで勝てば誰もケチのつけようのない日本新記録で、今を上回る熱狂に包まれ、より大きなヒーローになったであろう。が、現実には頓挫した。

この先に描かれていた、茨の道でありながらも華々しい、誰もが楽しみにしたそのチャンピオンロードもここで一度封鎖されてしまった。

原因は外野からはかり知れるものではないのだろうし、きっとひとつやふたつでもなく、いろんなことが事の大小はあれ複層的に相まってのあの日だったのだろうが残念だった。

村田は順当に結果を出し、次に繋げた。次に繋げる。そのこと以外に意義はあまり感じられないマッチメイクではあったけど。

そして五月は井上尚弥の三階級制覇だ。観戦に行く予定なのだけど、黄色信号。チケットが取れるかどうか分からない。一般販売まで残っていないようなのだ。

いち早く会社に有給休暇を申請し、今から宿も抑えておこうかという段階で、チケットが手に入らない。このままだと、ただの大田区観光になってしまう。

といった自分の心配はどうでもよくて、井上尚弥のヒーロー道がこれからどう展開していくかを占う意味でも大きな一戦。負けは当然許されず、モンスターの異名どおりの勝ち方も求められるだろう。観に行きてー。

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アメリカン・ヒーロー」 2015年 アメリカ 監督 ニック・ラブ

特殊能力を持っているものの、人間そのものがダメな男が主人公の脱力系ヒーロー物。

タイトルから期待するものは作中に全然ないけど、僕は好きだったな。これ。

皆のヒーローになどなりたくなくても、全ての父親は、自分の子どものヒーローではありたいのだろう。

この主人公も「子どものヒーローでありたい」そのことだけで、人としてギリギリ踏みとどまり頑張る。

どこまでも人間臭く、ダメな主人公は、何だろう妙に感情移入させる。

不一。