あってもなくても。

いくら銭があっても、身体はひとつ。身体が感じる、空腹や性欲、顕示欲。それらが充足してしまえば、あとの使い途はオマケ。のような気がするが、銭を不足なく持ったことがないので、いまいち分からない。

いくら時間があっても、身体はひとつ。やりたいことをやり尽くしてしまえば、あとは暇を持て余す。ような気がするが、時間を不足なく感じたことがないので、いまいち分からない。

いくら多数の人に承認され、名誉に恵まれても、少しの気持ちよさのあとは有名であるが故のプライバシーの無さに苦悩するだけ。もちろんそうなったことがないので、さっぱり分からないけど。

どこでどういう立場にあって、何をしていても、そこにはそこにしかない苦労、苦悩があって、どんな人でも自分に無いものを必ず持っていて、いつでも人は他人が持っているもの、あるいは持っていないものが羨ましい。

自分の財布に入っている金、自由に使える時間、自分に向けられる言葉、感情。

自分を取り囲むそれら条件の中で、ベストを尽くすしか個人にできることはない。

無いものを嘆く時間も、日頃無い無いと嘆く「時間」。

その時間に何かできる。

とは思うが、そう簡単に前を向けない。みたいなことを繰り返して、どれだけの時間やものを無駄にしてきたんだろう。考えたら、いままでもこれからもダメな気がするから、もうやめとこ。

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「ダイアナ」 2013年 イギリス 監督 オリヴァー・ヒルシュビーゲル

この人は、何故こんなに有名なんかな?と昔思ったことがあって、でも特に興味も湧かなかったので、調べることもしなかったのだけど、家にいつからあったのか知らんが、DVDがあったので、観てみた。

何をしたのかは、よくわからなくて、離婚後の新しい恋の話がメインのラブストーリーだった。

金も時間も名誉もあって、でもそのことが逆に恋路の障害になる皮肉。

でも、これまでの道筋を歩いてこなければ二人が出会うこともなかったと考えれば、最初から破局は約束されていたのかもしれない。

観たかった内容とは違ったけど、これはこれで。

不一。