むらただ。

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あれからもう一週間も経つのか。
ただ観戦に行って日頃会えぬ友人らと話し、日常から離れるだけのことでも、素晴らしく気分が晴れるというのに、あの日は結果までが良い意味での逆、こういっちゃなんだけど、村田は負ける。そう確信に近く思い込んでいた。無論スポーツであるから絶対はない。こういう結果もあるにはあるんだろうけど、その確率は限りなく低く感じていて、だけにそれを目の当たりにしたときの高揚たるや人生でも数える程しか経験したことがないような種類のものであった。現に伴に観戦した友人は、勝利の瞬間胃痙攣を起こし、その後の食事がほとんど食べられなかった程だ。
折角世界ランキング上位で、再戦条項も行使できる立場にあるのだから、退職金代わりにもう一試合やっとけよ。みたいなノリで組まれた試合だと思っていた。
それを裏付けるように村田は一ラウンドから飛ばし気味で、ハイペースでいけるところまでいって、スタミナが切れたらそこで終わり。そんな悲壮な覚悟を持った作戦に見えた。
ところが相手のブラントも出てきたものだから、噛み合い、ブラントのパンチは以前と同じく村田を捉えるが、村田のパンチも今回は当たる。特にボディブローが良い。
息を呑んで見守る間に1ラウンド終了。これはひょっとして。
そんな予感が現実となる2ラウンド目、村田の左フックでバランスを崩したブラントに村田が襲いかかる。
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ダウンを奪う。ブラント立ち上がり試合再開。まだ効いている。
村田後先考えぬ猛ラッシュ。
ストップ前、村田の動きが明らかに鈍る。このラウンドしのがれたらスタミナ切れで、形成は逆転するんじゃないか。
そう思った矢先、レフェリーが試合を止めた。
会場のボルテージはマックス。地響きのような歓声、皆立ち上がり快哉を叫ぶ。
鳥肌がヤバイ、となりでは友が胃痙攣、僕は気づかない、しきりに顔をタオルで拭いているなとは思ったけど、興奮ゆえの発汗かと思っていた。
その後、このブログで知り合った東京からの方、北海道からの方と合流し、食事に行く。ただひとり村田の勝利を全く疑っていなかったという東京の方の話は、本当にすごいなと思った。しかも単なるファン心理という視点からではなく、それなりの裏付けがあっての予想だったので、尚更感心。そういう見方もあるのだなと。
いつものごとく瞬く間に時間は過ぎて、楽しい時間は何故こうも早く過ぎ去るのか。仕事中なんて、永遠の意味が理解できそうなくらい長いのにな。
家に帰り、テレビを録画しておいたものを観て就寝。
翌日は、愛知の友がどうしても会いたいと言っていた、元プロボクサーの狂拳を呼び、ミナミで串カツ。
この時間もすげー早く過ぎてしまって、もう解散か。と一抹の寂しさっていうか全開の寂しさを感じる。
次回は誰を観に行こうかな。井上は海外っぽいし、井岡も海外っぽいし、村田はひょっとすると日本でやるかもしれないけど、何となく海外な感じもする。
拳士朗あたりが統一戦でもやってくれれば行こうかな。
なんてことを。
日頃、「生き延びる」ために過ごしている日常で、「生きている」と思えた二日間。
こういうことのためにも、もう少し「生き延び」なくてはな。
その手段となるブラック企業がもう息も絶え絶えで、ダメっぽいけど、それでもなんとか「生き延びて」いかないとな。

不一。