それぞれ
一寸先は闇。といわれても、どことなく薄暗いところをずっと歩いている気がしているから、急に暗くなったところで、多分それほど驚きはない。薄闇にいたことで、闇にもすぐに目が慣れ、それほど変化なくやれそうな気がする。
それよりは光に出くわした方がきっと驚く。突然の眩さに目が眩み、目が慣れるまでに時間がかかりそうだ。
光を目指して進む。
闇から逃げるために進む。
どちらもベクトルは同じだけど、そのメンタリティは大きく違う。
しかしどちらも進んでいる、または進む意志がある。
そのどちらでもなく、光も闇も座して待つのみの自分などまずは論外。
進まなくては。でも、どっちへ?
分からないから動けない。
ただ時間だけが、無慈悲に進む。進む。
「明日の食卓」2021年 日本
監督 瀬々敬久
同じ名前の子どもを持つ、三人の母親それぞれの物語。
どこかミステリーの要素も感じさせつつ、目まぐるしく三人の物語が展開し、よくある話をよくある話で終わらせてない感じがして、最後まで飽くことなく観られた。