俯瞰して

 

仕事上のことでふたりのおっさんが言い争っている。聞くともなしに聞いていると、やり方の違いでもめているっぽい。しかし、聞いた感じ

どちらのやり方を採用したとしても、時間内に出来る量ではない。それを分かっているのかいないのか知らないが、お互い感情をむきだして言い争っている。この場合、怒りの矛先は無茶な量の仕事を割り振ってきた会社に向けるべきで、目の前の個人ではない。むしろ協力して、会社に異議を申し立てるなりするべきだと思うが、人間、そう上手くは感情をコントロールできない。

何か問題が起こったときに、一歩引いて、俯瞰で全体を見渡し、その問題の本質はどこか?なんてことを考えられる人などそうそういない。

やはり目の前のことに、人は意識の大半を奪われる。

言い争いの果てに、何があるんだろう。

仮にその仕事が上手くいったとて、その指示を出した人間が仕事上の評価を得るだけで、そのまた上司の手柄になり、そのまた…と最終どこの誰だか分からん資本家の懐が潤う。

つまらんことだが、それで日々の活計を得ているのだから、真面目にやることは当たり前だが、感情まで持ち込む必要はない。そんな熱量があるのなら、プライベートで使いたい。そんなふうに自分は考えてしまうので、仕事で感情的になっている人を見ると、理解は出来るが、少し不思議な感じも残る。

目の前にしか現実はないのだから、目の前の問題に対してエモーショナルなのは良いことなんだろうきっと。

真実もまた目の前にあるものだろうけど、その本質は違ったところにあることが多いから、いつまでも謎が残る。どんな些細な問題でも人間が完全に理解できるものなど一つもない。

どうしたって謎が残る。しかも大部分。

 

f:id:fuitsufuitsu:20211023204600j:image

「フロッグ」 2021年 イギリス

監督 アダム・ランドール

ある町で二人の少年が行方不明になる。失踪現場には昔あった連続誘拐殺人事件の犯人が犯行現場に残していった緑のナイフ。

事件の担当刑事の家で起こる不可解な現象。

刑事の家庭も妻の不倫で崩壊危機。刑事はメンタルやらてるわ、息子は荒れるわ。

問題がいっぱいだ。