久々に
最後にここに何事か書きつけてから、早一年。と、少し。
去年はコロナで、ボクシングも観戦に行けないし、外食もなんだか気を遣うし、買い物に行けば店に入るたび、アルコールで手を除菌することを強いられ、何軒か訪ううちに手がガサガサになるしで、面倒が募って結句不本意ながらステイホームなんてことが多かった。なんかコロナに負けた気がする。
趣味で行ってるボクシングジムにも、コロナを言い訳に行ける時間があるのに行かなかったりで、これもコロナに負けた気がする。と、タブついた腹の肉を見て思う。
いつまで続くのかねこの状況。
世の中が停滞気味とはいえ、人生の時間は容赦なく進むので、何かせんければなぁ。毎日こんなほんのり気だるく薄暗い気持ちで生きていくのは、それこそコロナに負けた気がするし、楽しくないものな。
などと考えていたところ、昨年末、友人に誘われ柄にも無くアウトドア、キャンプなる遊びに連れて行ってもらった。
正直全然乗り気じゃ無かったのだけど、食わず嫌いやらずじまいは悪事であると日頃、何となくふわっと分類しているので、重たい腰を上げ行くことにした。
場所は近くにコンビニはおろか、スマホの電波も入らない山奥。
社会から隔絶されたような僻地で、非日常感がすごい。と同時にどう言うわけか、ものすごい解放感。なんだろこれ。
日頃、家と仕事場の往復、たまの休みはジムに出かけて、そのあと買い物。みたいな日常で、屋根のないところに行かないからか、山や川、空ときれいな空気といった普段まったく気にも留めない自然がやたらと素晴らしく感じる。
しかもその後の食事がバカうまい。
良い食材を持っていった訳では無い。むしろ安物だった。それが外で食うと驚くほど美味い。
マイナスイオンとかそういうものの効果だろうか。それとも原始人だったころの遺伝子の記憶だろうか。多分どちらでも無いのだろうけど、理屈抜きに美味かった。
焚き火が楽しい。それを囲んで呑めぬ酒などちびちび飲みながら友と語らう時間はまさに至福。
とここまでは良かったのだけど、テントで寝る、これがもう罰ゲーム通り越して、ほのかに命の危険を感じるくらい寒い。
真冬の外ってこんなに寒いんだ。
寒過ぎて寝れない。ホラー映画の襲われる側の気持ちがいたく理解できるくらい、朝を待ち侘びた。もう二度と行くまい。
そのときはそう思っていたのだけど、帰ってまた日常に戻ると、どういう訳か、また行きたい気持ちが湧いてくる。
凍てつく夜に就寝というあの苦行の記憶を、他の楽しみの総計が上回ったということか。
どうも世間は空前のキャンプブームで、流行りものには乗せられるまいと生きている自分的には少々不本意だけど、しようがあるまい。
始めるか、キャンプ。
不一。