死んだら死んどけ。

 

やりたいことが減ってきて、やりたくないことばかりが増えていく。これは加齢のためか、単に人間として堕ちていってるからなのか。

今は43と中途半端な年齢でそれほど強く死を意識することもないけれど、どっかで一回確実に死ぬんだから、全くそれが意識下にないという状態もまた無い。

あるんだか無いんだか知らないが、死後の世界。やりたくないことが一つ。この世に化けて出るということ。

未練たらたらじゃないか。それって。

これだけ日々、この世に対してブウブウ文句垂れ流して生きているのに、いざ死んでみると、なんか寂しい、あれやり残した、忘れないで欲しい、なんてのはなんだか都合が良すぎる。死んでまで後ろ向きに生きたくない。死んでから生きるってのも倒錯した表現だけど。

それはもちろん残してきた人たちのことは気になるだろうし、やり残してしまったことも多々あるんだろうけど、化けて出てもどうしようもないのだから、やはり死んだらこの世に来ちゃいかんと思う。転校したのに元の学校に通い続けるみたいなやるせなさを感じる。

とはいえ割り切れないのが人情。感情の量は人それぞれ。

分からんでもない。幽霊化。

 

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ア・ゴーストストーリー  2017年 アメリ

監督 デビット・ロウリー

 

交通事故で不慮の死を遂げた夫が、残してきた妻が気になり幽体離脱。お化けになって二人の住んだ家に帰り妻を見守る。

見守ってはいないか。特に守るような行動はないから、ただ見ているだけか。

ワンシーンワンシーンが長回しで、台詞も極端に少ない。観る人によって解釈が様々だと思われるシーンが多々。

人におすすめはしないけど、嫌いじゃなかったな。ベタベタしたラブストーリーより上質なラブストーリーだったような、そんな。

 

不一。